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小川 弘道; 山本 忠利; 和達 嘉樹
JAERI-M 86-011, 11 Pages, 1986/02
本報告は放射性核種の土壌中移動速度を決定する手法について記するものであり、土壌中放射性核種濃度分布の非破壊測定に関する前報と併せて、放射性核種の土壌中移動速度を非破壊的に決定する手法を確立した。すなわち、放射性核種の土壌中濃度分布と輸送拡散方程式の解の比較より決定される核種移動速度により、放射性核種の土壌中における移動性が定量的に評価できる。
大貫 敏彦
Journal of Nuclear Science and Technology, 23(7), p.643 - 649, 1986/00
被引用回数:2 パーセンタイル:32.47(Nuclear Science & Technology)アルカリ性水溶液中(pH12)に溶存した放射性核種(Co,SrおよびCs)の砂層中移動をカラム実験により検討した。放射性水溶液200mlおよび水3800mlを通気層カラム中へ流入し、核種の流出曲線および砂層中濃度分布を得た。それらの分布曲線を比較した結果、SrとCsは類似した分布状況を示したが、Coは砂層深部へ移動していた。3核種間の移動速度の関係として、CoSrCs が得られた。これは中性水溶液(pH7)を用いて得た結果と異なった。このことは、核種の移動挙動に対して核種が溶存している水溶液のpHが強く関係しているものと考えられた。実験で用いた砂層はCo水溶液(pH12)の移動において線形系であることが明らかとなった。
小川 弘道; 山本 忠利; 和達 嘉樹
JAERI-M 85-111, 16 Pages, 1985/08
土壌中における放射性核種の移動速度を測定することを目的とし、帯水層土壌試料中における放射性核種の濃度分布を非破壊的に測定するシステムを開発した。本システムでは、帯水層土壌試料中に挿入した検出器により、線の計数率分布を測定し、検出器の測定効率を係数行列とする連立方程式を作成する。濃度分布が指数関数的に変化するとする仮定を導入して連立方程式を解くことにより、帯水層土壌試料中における濃度分布を算出する。本システムに関して機能試験を行った結果、帯水層土壌中における放射性核種の濃度分布を測定できることが確認された。本報告は、システムの概要および機能試験の結果についてまとめたものである。
小川 弘道; 大貫 敏彦; 山本 忠利; 和達 嘉樹
JAERI-M 85-061, 25 Pages, 1985/06
土壌中における放射性核種の移動速度を測定することを目的とし、通気層土壌試料中における放射性核種の濃度分布を非破壊的に測定するシステムを開発した。本システムでは、土壌カラム外側において線計数率分布を測定し、理論的に計算した検出器の測定効率を係数行列とする連立方程式を作成する。通気層土壌試料中における放射性核種の濃度分布は、連立方程式を解くことにより算出する。本システムに関して機能試験を行なった結果、通気層土壌試料中における放射性核種の一次元濃度分布を測定できることを確認した。本報告は、測定システムの概要および機能試験の結果についてまとめたものである。
大貫 敏彦; 大塚 芳郎; 小川 弘道; 山本 忠利; 鷲尾 方一; 和達 嘉樹
保健物理, 19, p.13 - 18, 1984/00
放射性核種(Co,Sr,およびCs)の帯水砂層中の移動について、模擬帯水層槽(帯水層:40cmW70cmL25cmH)を用いて検討した。その結果、それぞれの核種の移動性の傾向は、濃厚な濃度部分に着目すると、SrCoCs となり、希薄な濃度部分に着目するとCoCsSr となった。希薄な濃度部分の移動性の傾向は、Coは難溶性のCo(OH)を形成するため、Csは土壌微細粒子に非常に吸着するためである。したがって、CoおよびCsについて水酸化物種および粒子種の移動について検討することは、低レベル放射性廃棄物の浅地中処分を評価する場合に重要である。
大貫 敏彦; 武部 愼一; 山本 忠利; 和達 嘉樹
保健物理, 18, p.11 - 16, 1983/00
放射性核種の通気砂層中移動に及ぼす間隙水の影響について、その流速および供給時間を変化させて検討を行なった。砂層中移動に関しては、Srは吸着一脱着反応を繰り返して移動するため間隙水の影響を受けるが、Csは脱着し難いため間隙水の影響をほとんど受けないことが分かった。さらに、間隙水の流速が小さな範囲(≦1cm/min)では、Srの移動速度と間隙水の流速との間に線型性が成り立つこと、またSrの砂層中移動に対する間隙水の影響度は、流速よりも供給時間の方が大きくなることも分かった。
山本 忠利; 武部 愼一; 和達 嘉樹
保健物理, 17, p.3 - 9, 1982/00
通気砂層中における放射線核種の挙動を明らかにするため、カラム法による流下実験により、Co,Sr,Csの流出状況および移動状況に及ぼす影響を担体濃度について検討した。流出液体中の放射能比(流出比)は担体濃度が低い場合(10mol/l以下)には、ほぼ一定の小さな値になり、濃度が高い場合(10mol/l以上)には、流出液量の増加とともに大きくなった。砂層内の放射能比(吸着比)は担体濃度が低いとき砂層深度とともに指数関数的に急激に減少したが、濃度が高くなると穏やかな減少を示した。さらに、種々の担体濃度における、砂層表面に対する砂層中の放射能比が10分の1にあたる砂層深度d1/10(移動指標深度)の実験値は、拡散方程式により計算した値と比較的よく一致した。従って、このd1/10はSrおよびCsの陽イオン核種の砂層中移動予測に適用できるものと考えられる。
武部 愼一; 山本 忠利; 和達 嘉樹
保健物理, 17, p.437 - 442, 1982/00
地中モデル装置を用いて、通気砂層中におけるCo,SrおよびCsの放射性核種の移動と分布について検討を行った。放射性核種の垂直方向への移動に関しては、吸着化はいずれの核種についても砂層表面から近い範囲では指数関数的に急激に減少したが、その後は緩やかな減少を示した。放射性核種の二次元方向への分布に関しては、Csの場合、吸着比は垂直方向に均一に減少し、Coの場合、砂層中心部は周辺部に比べて移動が大きく、Srの場合、Coと同様な減少する傾向を示した。さらに、各放射性核種の実測濃度分布を拡散方程式により計算した予測濃度分布と比較すると、Srの移動については両濃度分布は比較的一致し、ほぼ予測できることが明らかとなった。
小川 徹; 井川 勝市
Journal of Nuclear Materials, 105, p.331 - 334, 1982/00
被引用回数:29 パーセンタイル:98.08(Materials Science, Multidisciplinary)化学蒸着ZrC被覆層中のFP拡散を2通りの実験によって評価した。0.2wt%のSr(Sr)を含浸させた黒鉛粉中に、ZrCriso被覆UO粒子を埋込んで加熱した実験からは、ZrC中のSr拡散係数は~210m/S(1400C)と評価された。気送管照射したZrCriso被覆UO粒子のFP放出加熱実験では、ZrC層中の濃度分布から1400Cの拡散係数は、Baについて10~10m/S、Ruについて~10m/Sと評価された。
山本 忠利; 武部 愼一; 和達 嘉樹
Radioisotopes, 29(8), p.373 - 376, 1980/00
CsとSrの放射性核種の砂に対する吸着挙動を調べ、さらに分配係数に及ぼすpHの影響を調べ、それらの結果に基づいて放射性核種の分配係数について検討したものである。 CsおよびSrの砂への吸着様式は、10~10mol/lの極低濃度範囲では、Freundlich型吸着の近似であるHenry型吸着に従うことが分かった。このことから、砂の粒度、pH、共存塩濃度等の条件が一定であるならば、放射性核種の分配係数は核種濃度に依存せず、一定の値をとることが明らかとなった。